プロMMAスパー・水野新太「“素直な強さ”で頂点へ。頭で考え、心で戦う」

月曜日のプロMMAスパーを担当する水野新太選手。
格闘技をはじめ、大学を辞め、覚悟を持ってプロの道を選んでから、まだわずか5年。
その短い期間で、DEEPフェザー級グランプリを制し、タイトルマッチを勝ち取るまでの急成長。

水野選手の強さの根底にあるのは、常に学び続ける“素直さ”。
練習では頭を使い、仲間や指導者、出稽古先で出会う選手たちから多くを吸収しながら、自分の課題に真摯に向き合い、一歩ずつ前進を重ねる。

「練習でやられるほど、強くなる」。
その言葉どおり、失敗や苦戦を恐れず、経験を糧に成長し続ける姿は、13gymが大切にする“挑戦を楽しむ姿勢”とも共通する部分があります。

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「このまま終わっていいのか」から火がついた格闘技への道


水野さんは格闘技を始めてまだ5年しか経ってないとお伺いしました。
それなのに、先日、DEEPフェザー級グランプリを優勝、タイトルマッチに抜擢されるなど、本当にここまでの格闘技人生が非常に濃かったとおもうのですが…

水野さん
はい、本当に濃かったですね。


もともと行かれていた大学も辞めて、今はプロ格闘家として活動されているんですよね。

水野さん
そこはスポンサーさんたちのおかげで、格闘技一本で食べさせてもらっていますね。
今は練習が仕事の様な形です。


そもそもですが、格闘技にここまでハマったきっかけはどの様なものだったんですか?

水野さん
それはアマチュアの時に、試合で腕を折られて負けたのがきっかけでしたね。
実は、アマチュアの時は勝ったり負けたりだったんですよ。

そのアマチュアで負け試合の時に、腕を折られて負けてしまったことがあって。
その時になんというか…悔しい反面、逆に楽しくなったというか…。


腕を折られて、逆に格闘技にのめり込みたくなったということですか?

水野さん
はい。その時は試合に友達も応援しに来てくれて、その前で極められて。

その試合が終わった時に自分の心の中で、
「このまま終わっていいのか?このまま終わったらダサいな。」
という悔しい気持ちと同時に、
「まだまだ格闘技の中でやれることがある」
という執念のような感情が生まれてきたのを覚えていますね。

そこからは、もう本気で格闘技に取り組む様になりました。

「プロ格闘家とはこういうものだ」という選手との出会い



プロ格闘家の道を進もうとおもったきっかけはどの様なものだったのでしょう?

水野さん
僕がアマチュアの時に通っていたジムで、MMAのプロが集まるプロ練習があったんですよ。
最初のうちは、練習の中に入っていくと「ちゃんとやられる」という感じでした。

そんなプロ選手の方達にスゴイ憧れの様な気持ちを持っていたんですよね。

その選手の中に「石司(いしづか)晃一」選手がいて…石司さんの存在は自分の中では大きいですね。

石司さんってあまり口数が多い方ではないんですけど、練習に対する姿勢や向き合い方がスゴイな。と今でも思っているんですよ。他のプロ選手の中でも飛び抜けているというか。

だから、この人についていけば、自分も良い形になるんじゃないか。と思ったのがプロ格闘家の道を目指すきっかけになりましたね。
僕の中で「プロ格闘家とはこういうものだ」という、最初のモデルというか…
お手本になってくれたのは石司さんです。

素直でいると、いろいろと刺激をもらえる。


このまま連勝していけば、そのうちRIZINに出場ということにもなりそうですが…。

水野さん
それについては、あまり深く考えてはいないですね。
それよりも、とにかく目の前の試合を落とさないということで、いっぱいいっぱいというか。

それに結局は同じことだと思うんですよ。
一戦一戦、目の前の試合をクリアしていくことで見えてくるものがあるというか。
今は、次戦のDEEP青井(人)チャンピオンを倒すことに集中していますね。


シンプルに「勝ち続ける」ということに集中しているんですね。

水野さん
そうですね。
自分が今プロ無敗ということもあるので、そこを伸ばしていけば必然的に周囲も認めてくれると思っています。


水野さんは話していても感じるのですが、非常に素直な性格をされていますよね。
この間、Youtubeのジョビンチャンネルに出ている時に
「今からでもYoutube始めなよ」と勧められてすぐにチャンネルを開設されていましたし。

水野さん
自分はスイッチが入ったら、サッと動くタイプなんですよ。
プロ格闘家で行こうと考えた時も、通っていた大学の卒業まであと一年というところだったんですけど、気持ちを切り替えるためにも、親に相談して辞めましたね。


そこはちゃんと親に相談するところも、素直というか…

水野さん
笑)はい。
自分は結構、悩んだ時に人に相談するんですよ。つねに周囲に支えられて生きていると思っていて。

もちろん、自分の意思や正義感もあるんですけど、自分の判断が間違っている場合もあるじゃないですか。
今のように、プロ格闘家としてスポンサーさんもついてもらえると、もっとしっかりしなければいけない場面もありますし。
だから、悩んだときは親や兄貴、周りの人に相談して、決めるようにしていますね。


「フリー」という肩書きだったので、人に影響されず何事も自分で決めたい!という、ある種の真逆のイメージがあったのですが、そうでも無さそうですね。

水野さん
はい。そこはちがいますね。
むしろ「フリー」だからこそ、アクティブに動けるということを大事にしているというか。
出稽古でも色々なところに行けますからね。
そこで出会ったいろんな方とも交流をできますし、刺激をもらっていますね。

だから、13gymのMMAスパーでも、色々な選手と一緒に練習して情報交換したいですよね。

日々の練習でいかに頭を使って、体に馴染ませていくかが大事。



水野さんのように、短期間でここまでMMAが上達できた背景には、どんな要素があったと思いますか?

水野さん
それは、アマチュア時代でしっかり勝ったり負けたりも含めた経験ができたのが大きかったと思いますね。
そこでの経験で自分に足りない部分がしっかりわかったというか。

あとは、自分は「練習に弱くて、本番が強い」タイプなんですよ。
練習ってあくまで練習なので、本気でいけないじゃないですか。

でも、本番になると「行き切れる」というか、「振り切れる」タイプなんですよね。

むしろ練習でやられた方が、強くなるともおもっているというか…
いろいろなやられ方をして、その度にディフェンスを覚えたりすると、次はそこまでやられないようになると思うんですよね。

そういう意味で練習では「やられる」方が大事だと思いますよね。


練習は「実戦で勝つためにある」というスタンスなんですね。

水野さん
はい。他にも自分の強みを探したりとか、苦手な部分に気づいたりとか。
そういうのを意識しない練習は意味がないので。ただ練習しているだけでは、伸び代も無いというか。

だから、練習後の振り返りも大事なんですよね。


やはり、そこでも他の選手に色々相談したり…

水野さん
そうですね。
自分がやられた部分に関しては「ここどうやったの?」というような話は良くしますね。


13gymでも、MMAスパーの後にそういう話し合いの時間があるということですね。

水野さん
はい。
やっぱり、今言ったような良く考えている選手と一緒に練習したいですよね。


ただ、やはり水野さんがここまで強いのは、運動神経が良いということもある気もしますが…

水野さん
いや、実は自分は運動神経、全然良く無いんですよ。
最近、やっと壁を使った倒立ができるようになったくらいですから。

大塚(コーチ)さんにも、「今までよくそれで勝ってこれたな」って言われましたしね苦笑
ただ、そういう人でも「やる気」と「練習のやり方」を間違えなければ、ここまで来れるってことです。

頭でしっかり考えて徐々に体に馴染ませていけば、おのずと動けるようになると思うんですよね。

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