勝つ感覚は教えられる。結果が出る練習設計の作り方。13gym代表・中桐インタビュー

Fighting NEXUS (2025.11.22)の勝利にて、ついに第3代バンタム級王者になった13gym中桐代表。

Fighting Nexus l ファイティング...
【試合結果】Fighting NEXUS vol.41 in 後楽園ホール 2025.11.22(Sat) 大 会 概 要 【大 会 名】 Fighting NEXUS vol.41   【 主 催 】 ワンインターナショナル株式会社   【 日 時 】 2025年11月22日(Sat) OPEN 17:3

ただ、そんな中桐代表。実は、格闘技を始めたのは20歳を過ぎてから。
格闘技も最初は趣味で始め、その後も「仕事」として指導者にはなったものの、最初は選手になることすら考えていなかったとのこと。

たんたんと着実にやるべきことを間違えずに積み重ねていった結果、チャンピオンになっていた。

13gymの指導でも「確実に効果が出る方法」を常に考え続けている中桐から、効果のでる練習方法を改めて伺ってみました。

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格闘技の練習する時に一番重要視しているのが「根拠」

ー ついに先日、Fighting NEXUS第3代バンタム級王者になりましたね。
おめでとうございます。
プロ格闘家として、やはりチャンピオンになることは一つの目標だったのではないでしょうか?

中桐: 確かに「チャンピオンになる」と言うことは、プロで競技を始めてからずっと口に出して言っていたことではありました。
ただ、プロに混じって格闘技を始めた当初は、練習にも身が入らない時期があったというか…。
なんか抜いていたような時期もあったんですよ。

ただ、そんな時期があった割には、自分の中ではかなり合理的にここまで来れた気がします。

ー 練習の方向性は間違ってなかったということですか?

中桐: そうですね。
僕が格闘技の練習する時に一番重要視しているのが「根拠」なんですよ。
例えば、筋トレひとつとっても、しっかりと結果を出しているUFCの選手のメニューを一度研究して真似してみるとか。

あとは、最初に僕が教えてもらった齊藤曜選手の存在も大きかったですね。
いわゆる「MMA(総合格闘技)の基礎」をしっかりと理解している選手の元で、勉強できたのも大きかったです。

ー MMAの基礎を1から学ぶことが出来たんですね。

中桐: はい。
特にMMAは、「最初に誰に教わるか」が本当に重要だと思うんですよ。
僕の場合は、たまたま運良く最初が齊藤さんだったんです。

齊藤さんのMMA指導って本当に勝つために必要な「王道」を教えてくれるタイプだったんです。
総合格闘技で勝つために必要な「組み」の要素について、最初からきちんと教わることが出来たと思うんですね。

ー まだ中桐さんが格闘家としてまっさらな状態の時に、良い指導が受けられたことがよかった。

中桐: はい。
僕は齊藤さんに最初に会えてラッキーだったんです。
だから、逆に最初に良い師匠に巡り会えなくて、ダメになっていく選手も中にはいるんですよ。

指導者次第でポテンシャルを伸ばせずに、うまく勝利につながるパフォーマンスが出せていない選手を今までたくさん見てきました。
王道の基礎もしっかり身につけていないのに、最初から変化球を覚えようとして実力を伸ばせないような選手がいるんですよ。

ー 英語の基礎を勉強しないで、いきなりヒップホップの歌詞だけで英会話を話せるつもりになっているみたいな?

中桐: まさに!本当にそのとおりなんですよ。
今のMMAでは、どのようなことが評価されるのか。ジャッジの目線がしっかりわかっているかどうか。
客観的に自分のパフォーマンスを見た時に、しっかり勝てるかどうかを見極める感覚が必要なんです。

それができる選手は、やはりセコンドについていても頼りになりますよね。

「チャンピオン」よりも大事な「ジムオーナー」という立場。

ー チャンピオンになった後、なにかご自身の心境など変わったことはありましたか?

中桐: それは、全くないですね。
むしろ、周りから「チャンピオンなんだから、もっとアピールした方がいいんじゃない」って言われるくらい。

一応、自分のパフォーマンスに対して、説得力はついたとは思っていますけど。

ー そうなんですね。
でも、流石に試合前とは少しは心境の変化はあったんじゃないですか?

中桐: なんというか、僕の周りには割と「チャンピオン」になっている格闘家の方がたくさんいたんですよね。その人たちを見ていて、特に何か変わった様子が無かったのを見ていたので。

それこそRIZINのような知名度の高い大きな大会に出場して、相当なパフォーマンスを見せて初めて変わるものだと思っていますしね。

ー なるほど。確かに、RIZINでも一番有名なのは、ベルトを持っていない朝倉未来さんだったりしますしね。

中桐: そうなんですよ。
だからベルトを取ったから…と言うのはちょっと違うというか。

ー とは言え、チャンピオンとして、防衛する立場になったからプレッシャーはあるんじゃないですか?
勝ち続けなければいけない…という。

中桐: それも全くないですね。僕の中では、チャンピオンは、まず「成る」ことが大事だったので。
守るというよりも、成る方が大事でしたね。

ー では、チャンピオンという選手の立場と、13gymのオーナーとしての立場。今、二つの役割をお持ちだと思うのですが、どちらの方を重視されていますか?

中桐: それは、もう断然、「13gymのオーナーとしての立場」ですよね。
自分自身の練習の時間よりも、13gymのトレーナーとしての指導の時間が断然多いですし…。

あと、正直なところ、自分は格闘家としての能力よりも、指導者としての能力の方があると思っているんですよね。

「常連」も「初めましての人」にも同じ質のサービスを受けてもらいたい

ー 中桐さんが指導してきた中で、「成長が早い人」の特徴みたいなものはありますか。

中桐: はい。あります。
「しっかり鏡を見ている人」は伸びやすい傾向にありますね。
レッスン中にフォームを教える時でも、まずは目の前の鏡で自分の姿を客観的に確認できる方は成長が早いんです。

逆に、鏡を見ないで固まってしまう方は、頭で考え過ぎちゃうタイプが多い。

そう言う意味では、最初にジムに入ってきた時点で「見た目が良い人」は、成長速度も早い方が多いんですよ。
普段から、身だしなみを気にしている方なので、鏡で自分の姿を見ることにも慣れているんですよね。

あとは、「まっさらな状態」で来てくれる生徒さんは変化は出やすいと思うんです。

たまにですが、いろいろなジムを転々とされている方もいらっしゃるんですが、そういう方って自分独自の「クセ」みたいなものが染み付いている場合が多いんです。そうなると、簡単には変化できないでしょうね。

ー なるほど、13gymでは、それだけ満足感のある練習を提供できるという自信があるということですね。

中桐: はい。
というのも、13gymに通ってくださる生徒さんって出席率が本当に良いとおもうんですよ。

僕が過去にいたジムでは、いわゆる「月謝だけ払ってなかなか来れない会員さん」の割合が非常に多かったイメージがありますし、そもそもジムのビジネスモデル的にもそう言ったところがほとんどだと思うんです。

ただ、13gymの会員さんは1ヶ月に一度も来ない方はおそらく10%未満だと思うんですよね。ほとんどの会員さんが何かしらの形で授業を受けてくれるんですよ。

その分、指導者側も気合が入りますよね。
グループレッスンでも、生徒さん一人一人と会話をするように心がけています。

だからこそ、「常連さん」だけでなく「初めてくるような人」にも同じように良いサービスを受けて欲しいんですよ。
そういう意味では、これからインストラクターをもう少し増やすことも検討しています。

格闘技を続けて身についた「勝つ感覚」

ー 格闘技を12年続けてきて、今の体の調子はどうですか?

中桐: それに関しては、他の選手に比べると非常に僕は元気だと思います。

というのも、僕を指導してくれてきた方々が、良い意味でみなさん過保護気味だったこともあったんです。
なので、練習で無駄なダメージを蓄積しないで済んだんですよね。

そういう意味では、選手としても、指導者としても、まだまだ上達できると思っています。

ー 試合を続けてきて何か身についたものなどありますか?

中桐: 一番大きいのは、「勝つ感覚」が分かってきたことだと思います。
ジャッジが何を基準に見ているかという視点がわかってきましたし、あとは、力の使い所も身についてきましたね。力を抜くべきところは抜いて、勝負どころで使うという感覚です。

そういう感覚は、他の選手のセコンドを務める時にも役に立っていますね。
あとは、会員さんの指導をする時にも役に立っていると思います。

ー 今まで、負けてしまった試合はありますか?

中桐: 1試合だけあるんです。
その時の敗因は、自分自身のリカバリーミスでしたね。
計量後にきちんと体調を戻せなかった事が、敗戦の原因でした。

ー 紆余曲折があって、今もプロ格闘家を続けていらっしゃると思うのですが、正直、辞めたいと思ったことはありますか?

中桐: やはり、その試合で負けた時は、
「辞めて、トレーナー一本で行こうかな」みたいなことを考えましたね。

ただ、その時に信頼していた石司(晃一)選手が、「きっと、チャンピオンになれるから」って言ってくれたんですよ。

なので、石司さんが言うなら、もう少し頑張ってみようかな。と、ここまでやってきた感じですね。

あと、もう一つは「格闘技関連のことで、大好きだった祖母のお葬式に行けなかった」と言うこともが大きかったですね。

自分はもともと、おばあちゃん子だったんですけど、その大好きだった「祖母のお葬式」と格闘技の外せない仕事が重なってしまったんですよ。

結局は、格闘技の仕事を選んでしまったんですが、あの時、もし葬式のために実家に帰っていたら今のような心境にはなってなかったかもしれませんね。

ー チャンピオンになった今、次の目標は何かありますか?

中桐: 今後は海外、韓国の団体「BLACK COMBAT」でも試合をできるよう交渉中です。
ファイトマネーも良いですし、観客数も日本に比べて多いようですし、NETFLIXで放送されるかもということも聞いてます。

実際出ることになったら、やはりそこでも時間はかかるとは思いますがチャンピオンを目指していきたいですね。

目標のハードルはなるべく低く立てる方が良いと思っている。

ー これから、13gymをどのような場所にしていきたいと考えていますか?

中桐: 指導の「質」をどんどん高めて行きたいと考えていますね。

今年に入ってレスリングコーチの成國大志さんも指導に加わってくれたのですが、やはり世界選手権金メダルおん選手の指導ってものすごい質が良いんですよ。

そう言う意味では、どの格闘技のジャンルでも質の良いトレーナー・指導方法を用意して行きたいと思っているんですよ。

今すでにボクシングの指導者とも交渉中なので、これからワンランク上の指導をみなさんに提供できると思っています。

ー それでは、最後にジムに来るかどうか迷っている方に、一歩踏み出せそうな言葉をおねがいします。

中桐: 何かを始めるには、ハードルは低ければ低い方が良いと僕は思っているタイプなんですよ。

まずは「週一回、1時間」くらいの頻度で通うくらいの気持ちでいいと思うんです。
目標を高く持たずに「1ヶ月1kg体重を落とす」くらいの、そこまで頑張らなくても達成できる目標を立てて、達成していく事が大事だと思っています。

それでも、十分、通っている会員さんの体つきも、顔つきまで変わるのを僕は見ていますから。
自分が思っている以上に頑張らない方が良いんですよ。

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