レスリングコーチ・成國大志「正直キツい」けど、「正直たのしい」ってなるんです。

実は13gymの講師にはレスリングの世界チャンピオン「成國大志」がいることをご存知ですか?
2022年セルビア・ベオグラードで行われたレスリング世界選手権、男子フリー70kgで優勝。

今は「グレコローマン」というもう一つのスタイルでも世界一を目指すバリバリ現役のアスリートです。

レスリング世界チャンピオンだった母に連れられ、物心着く前からマットの上でトレーニングをしていたという成國さん。

今では、13gym以外でも所属のジムのコーチや、東京都の高校のレスリング部の外部コーチなども務めるなど、レスリングという裾野を確実に耕している20代!

そんな「THE・レスリング」な成國さんにレスリングの面白さをインタビューしてみました。

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本当に強くなる人は、負けてからが強い。


成國さんがレスリングを始めたキッカケについてお伺いしてもよろしいですか?

成國さん
一番は母の影響ですね。
実は僕の母親がレスリングの世界チャンピオンだったんですよ。
幼い頃に、母親がレスリングの指導で通っていた高田(延彦)道場に自分も連れて行かれて、そこでレスリングを初めたという形ですね。

成國さんのお母さんと。


初めてレスリングをした時のことを覚えていますか?

成國さん
いや、もう物心着く前にマットの上にいた…という感じでしたね。
自然ともうレスリングをやる流れになっていたというか…「レスリングをやらない」という選択肢がなかったですね(笑)


幼い頃から生活の一部みたいになってんたんですね(笑)
小さい頃に辞めたいと思ったことは無かったんですか。

成國さん
それは無かったですね。
練習も、母親も…ものすごい厳しかったんですが、レスリングが大好きという気持ちの方が大きかったですね。


そこまでレスリングのことを好きになれた理由はなんでしょうか。

成國さん
それは、本当に色々な理由がありますね。
まずは、練習環境にものすごく強い選手やチャンピオンが多く在籍していたということがありますし…

あとは、自分が人一倍「負けず嫌い」だったのも大きかったと思います。
子供の頃から、レスリング以外でも、テレビゲームなんかでも絶対に負けたくない!という気持ちが強かったですね。

幼い頃から人一倍負けず嫌いな少年だった。


やはりチャンピオンになるためには、「人一倍負けず嫌い」という性格がないと厳しいんでしょうね。

成國さん
そうかもしれませんね。
仮に負けたとしても、そこで諦めるんじゃなくて…

「よし、ここからもう一回!」
と立ち上がっていくタイプが本当に強くなっていくんでしょうね。
言い方を変えれば、「ちょっと変なやつ」ってことなんでしょうけど(笑)

勝ったとき、自分より先に喜んでくれる人がいた。


その後、成國さんは練習を重ねて2022年のベオグラード世界選手権に出場しチャンピオンになられたのですが、その時の心境はどのようなものだったんですか?

成國さん
あの大会の時は、試合前にイレギュラーなことがたくさん起きたんですよ。
コロナの影響で他の日本選手たちとは隔離をしながらの移動でしたし、いざ現地についても荷物が届かなかったりなど…本当にバタバタしていたんですよ。

正直、試合前は自分がベストのパフォーマンスができる気がしなかったんです。

ただ、自分でどうにもならないバタバタがあったことで「吹っ切れた」ような気もするんです。
「やることをやるだけ」という心境になったので、それで優勝できたのかもしれませんね。

優勝が決まった時は不思議な感覚でした。全く実感が湧かなかったです。


予測し得なかったトラブルが、逆に成國さんのパフォーマンスにとってプラスに働いたってことですね。

成國さん
そうですね。
入れ込みすぎも良くないんだなって、その時、初めて気付いたかもしれません。


優勝した瞬間は実感がなかったということでしたが…。

成國さん
そうなんです。最初は自分が優勝を成し遂げたことが信じられなかったんです。

本当に実感が湧いたのは日本に帰ってからですね。
ずっとお世話になっていたジムの仲間や、応援してくださる方々の笑顔を見ていくうちに、初めてじわじわと湧いてきた感じです。チャンピオンになったんだなぁって。

誰も見てない時間に、誰にも負けない力がつく。


成國さんにとって、ジムにいる時の一番好きな時間についてお伺いしたいのですが。

成國さん
実は自分は「一人」でトレーニングする時間が好きなんですよ。

自分はレスリングの才能や、フィジカルの強さは他の選手よりも優れていると思ったことはないんですけど、とにかく「自分を追い込む」ということは人一倍才能があると思っていまして。

本当に誰かに無理やり追い込んでもらうとかではなく、自分で自分をぶっ倒れるくらいまで追い込むことができるんですよね。

むしろ、一人でトレーニングをしていると集中して自分を追い込めるので、もし追い込んでいる様子を人に見せたら驚かれるくらい大きい声とかもあげてますしね(笑)


なにか「一人カラオケ」に近いような感覚もあったりとか…。

成國さん
あはは(笑)確かにそれはあるかもですね。


成國さんにとってのジムは「己自身と向き合う時間」なのかもしれないですね。

成國さん
そうですね。そういう時間が好きなのかもしれないです。

鍛えるより、回復のほうがむずかしい。


成國さんは、体を維持するために何か気をつけていることはありますか。

成國さん
まずは「食べ物」だと思いますね。おすすめは卵ですかね。
タンパク質、脂質、ビタミンもバランスよく摂れますし、一日5個は食べていますね。


プロテインなども使ったりしていますか?

成國さん
はい。飲んでます。
そういった食事以外のプロテインなどサプリの良いところは「スピード」だと思うんですよ。

トレーニング直後に栄養を摂取することによって、回復の速さにもつながります。
ずっと継続して良いパフォーマンスを出せる体を作って行きたいと考えているので、意識して摂っていますね。

だから、ジムに来る皆さんもトレーニングの効果をしっかり出すなら、回復もセットで考えることが必須だと思います。

練習のごほうびは、「気づかないうちにできてた」こと。


成國さんが日々のトレーニングで、ご自身の上達を感じるのはどのような時ですか?

成國さん
それは、自分がレスリングをしている時の「映像」を見た時ですね。

試合の収録動画などを見た時に、
「あ、自分ってこんな動きができるんだ!」
っていう驚きがある時は上達を感じますね。


その「驚く動き」ってどのようなものなのでしょう?

成國さん
それは、自分で意識してやった動きではなく「体が無意識に動いた」という時ですね。

自分で意識して出した技じゃない時を決めている時は、練習の成果が出ているというか…。
体を追い込んだからこそ、無意識の動きがパッと出せたんだと思いますね。

そういった自分の姿を見た時は、本当に嬉しい気持ちになりますね。


無意識が意識を超えた瞬間がたまらないんですね。

成國さん
はい。そうですね。

「もう無理!」のあとに、「また来ようかな」が来る。


これからレスリングを始める方にレスリングの魅力を語るとしたら、どのような部分があげられますか?

成國さん
たとえば、僕のクラスを受ける方で、元々、MMAや柔術などの格闘技をされているような方はレスリングを知っておくことは、損にはならないと思うんですよね。

そういった競技においてレスリングの技術は絶対的に必要な基礎力だと思うんですよ。
僕としても、そういう方が僕が教えたレスリングの動きを自分のパフォーマンスに活かしてくれることがすごい嬉しいんですよね。


これから格闘技自体をゼロから始める初心者の方に伝えるとしたらどうでしょう?

成國さん
これは、僕がというよりも他のジムで指導している生徒さんが、
「想像以上にレスリングってキツイんですね」
っておっしゃっていたんですね。

もしかしたら、「キツイことをする」というところ…レスリングの魅力ってそこにあるんじゃないかな。って僕は思いまして。


それはもしかしたら、バリバリ働くビジネスパーソンや経営者の方がトライアスロンにハマっていく感覚に似ているのかも…。

どうやら、彼らって日々の生活の中で逆境が来た時に乗り越えるメンタルを養うために、あえて「キツイこと」を趣味にしていることがあるみたいなんですよ。

成國さん
そうなんですね!
でも、確かにそういう方はレスリングを始めるられるとハマる可能性はありますね。

そういう意味では「キツイだけで終わらない」のがレスリングの魅力なので。
しっかりと体と心の変化も感じられますし、それが快感に変わっていくというか。

Mっ気のある方には間違いなく向いている競技だとは思います(笑)
ぜひ、そういう方は一度レスリングを体験しに来てください。

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