MMAインストラクター・矢代さん「卓球の名門校からプロ格闘家へ。格闘技が教えてくれた、人生の戦い方。」

卓球の名門校・埼玉栄高校で腕を磨き、卓球推薦で大学へ進学した矢代選手。
そんな矢代選手が、現在はプロ格闘家として日々トレーニングに励んでいます。

格闘技と聞くと「怖い」「痛そう」「自分には無理」と感じる方も多いかもしれません。
しかし矢代選手は、格闘技を「身体だけでなく、人としてもタフになれるスポーツ」だと語ります。

卓球で培った観察力が、格闘技で武器になったこと。
格闘技を通して、仕事やお金への向き合い方まで変わったこと。
そして初心者にこそ伝えたい、格闘技の安全さとダイエット効果。そして場所の力。

今回は、挑戦を続ける矢代選手に、卓球から格闘技へ転向した理由と、格闘技の魅力について伺いました。

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恩師のデコピンで認められた、格闘家としての覚悟


早速ですが、矢代さんは、高校時代に卓球の名門校・埼玉栄に所属していて、卓球の推薦で大学にも進まれているとお伺いしています。

今も在学中でありつつも、卓球には区切りをつけてプロの格闘家に転向されていますが、大学を推薦してくれた恩師の先生には、そのことについてはお伝えしましたか?

矢代さん
はい。
プロ格闘家になることを決心した時に、高校在学時の時にお世話になった外部顧問の先生のところへ報告しに行きました。

その先生が割と「昭和っぽい」雰囲気を持っている方で。
生徒たちが何かやらかすと、とんでもなく痛い「デコピン」で制裁をしてくるタイプだったんですよ。


確かに令和の時代にはなかなかいないタイプの先生ですね笑

矢代さん
はい(笑
在学時から、その方のデコピンは本当に痛いと、周りの運動部でも話題になるくらいで。僕も怖くてずっとデコピンから逃げてたんです。

今回「格闘技をやります」とその顧問の先生に報告した時には、やはりデコピンをされまして。
ただ、その痛かったはずのデコピンが、全然痛くなかったんですよ(笑


もしや、格闘技のおかげで?!

矢代さん
はい。された自分もびっくりしましたが、そのデコピンした顧問の先生もびっくりしていて。

埼玉栄には、相撲部やボクシング部もあるんですけど、それらの選手の額と同じ硬さだ!って逆に認めてもらいました。お前は格闘技を真剣にやっているんだなって。

しかも、その顧問の先生のツテで、ありがたいことに埼玉栄高校のレスリング部へ出稽古もさせてもらえるようになったんですよ。打たれ強くなったおかげですね。

卓球で培った観察力が、格闘技で武器になった。


格闘技と卓球は、一見全然違うスポーツに見えますが、共通する部分はありますか?

矢代さん
「相手の動きを予測する力」が必要な部分がすごくよく似ています。
卓球ってボールだけ見ちゃうと勝てない競技なんですよ。

相手がボール打つ前から、ラケットの角度などを見て
「多分このコースに来るだろう」というのを予測して動くんですよ。
そうしないと間に合わないので。

格闘技もそこはすごい近くて。
相手がパンチを振ってくる時の角度や雰囲気を一瞬たりとも見逃さないことで、攻撃に対応できますから。


さらに、卓球も格闘技も、一対一の競技なのですごい似ていますよね。


逆に、格闘技と卓球で全然違うと感じた部分はどこですか?

矢代さん
「良いプレー」の基準は全然違うと感じました。
卓球ってどんなに良いプレーをしても、33点を取らないと勝てないスポーツなんですよ。

だから、実力差がありすぎる相手と試合をすると、アップセット(番狂せ)が起きない競技なんです。

その点、格闘技は良いパンチが一発当たったら、試合がひっくり返りますよね。
その部分は全然違いますね。

卓球では見えなかった未来が、格闘技で見え始めた。


卓球でプロになる道をあえて選ばなかったのは、何か理由があってですか?

矢代さん
正直なところ、大学に入って出会った卓球選手たちのレベルが高すぎて、先が見えなくなったというのが大きいです。

一緒に練習していた国体選手には歯が立ちませんでしたし、彼らだって、高校や大学の頃には世界で戦っているような一握りの日本代表の選手には全く歯が立たない。

そしてその先にいる中国の選手たちはもっとすごい。

そう考えると、大学に入った時点で、自分の卓球選手としての伸び代を考えた時に限界を感じてしまったというか。

もし頑張って実業団選手になれたとしても、自分が望んでいる様な未来の自分にはなれない気がしたんですね。
サラリーマン的に卓球を続けていけないだろうな。と感じたんです。仕事にはできないな…と。

そこで、モチベーションが上がらなくなってしまったんですよね。


そんな時に、格闘技に出会ってプロ格闘家に転向しようという気持ちになったということですね。
格闘家としての自分は最初から才能があると感じていたんですか?

矢代さん
正直、格闘技を初めて1年目の時には、ただやられ続けている様な感じでした。
寝技の時は、中学一年生の子にも歯が立たないくらい、ジムの中でも最弱でした。

ただ、それが2年目くらいから、だんだんと自分のやりたいことが出来る様になってきたんですね。
そこからは「試合で勝つ!」という気持ちが湧き上がってきたというか。

そんな感じで練習にも気持ちが入ってくると、自分の体がどんどん強くなっていくのを感じるんですよ。
最初の方は簡単なことで怪我をしていたんですが、その頻度もすごい減りましたしね。
上手な体の使い方がわかってきた気がします。


やればやるだけ、自分が格闘家になっていく実感を感じられるという。

矢代さん
本当にそうですね。
試合を経るたびに、見えなかった攻撃が見える様になってましたし、気持ちも強くなって行きました。
ある種、攻撃をもらった時の感覚が掴めるようになったので、ビビらなくなりましたね。

格闘技だけじゃない。挑戦を応援される人間であるために。


格闘家として毎日を過ごすことで、日常生活で変わったことはありますか?

矢代さん
人間的にタフになった気がしますね。
卓球をやっていた時は、ちょっとした怪我で、すぐに練習を休んでいたんです。

ただ、格闘技をやり始めてからは怪我も日常的にあるものだ。という考えに変わったんですよね。風邪もひかなくなりましたし。

だからメンタルが弱ることも少なくなりましたし、試合前には減量などもあるので、決められた契約はしっかり守ろうという気持ちが出てきました。


やり切る力がついてきたということですか?

矢代さん
そうですね。
あとは、格闘技を通して出会った方々たちから、すごい良い影響をもらえていますね。

例えば、今、僕は格闘技の練習をしながら、「コーヒー豆の販売」をする会社の立ち上げもしているんですよ。若いうちに、自分で挑戦できることはなんでもやってみたい。って。

それも、いつも練習で一緒になるジムメイトの方から、
「どの様にして生きるべきか。」
みたいな会話を交わしてスイッチが入ったからで。

以前の僕は、本当に典型的な労働できないタイプだったんですよ。
アルバイトも3時間以上入ると、冗談ぬきでジンマシンが出ちゃいましたし。

ただ、もうスイッチが入ってからは、居酒屋のバイトや、福祉の仕事、バーのボーイなど、本当になんでもやりましたね。
そうやって稼いだお金を、もっと大きくしたいという気持ちも出てきたんですよ。

もしある程度の金銭的な蓄えができたら、安心して格闘技の練習もできますし。
あと、お世話になった方へも恩返し出来るじゃないですか。後輩が困っている時にも助けてあげられるし。

何より、起業するとなったら両親にお小遣いをもらおうなんて思えないんですよ。
親に応援してもらうには、ちゃんと自分のやっていることを説明できないとダメだという考えになって。

そんな感じで僕が動いていたのを両親も見ていて、今では、コーヒー豆販売の起業のこともちゃんと認めてくれる様になりましたね。

お金を稼ぐことは大変なんだ。ということを、卓球の練習しかしてこなかった時は気づかなかったんですよね。
でも、今は違います。

格闘技だけではなくて、その他のことも「応援される様に、ちゃんとやろう。」と考えられる様になりました。

深く考えずに、まずは一回体験してみてから決めるでも良いと思う。


今後、13gymで格闘技を始めようか迷っている初心者の方へ、どの様な言葉をかけてあげたいですか。

矢代さん
格闘技って、試合をしなければ全然危なくないスポーツなんですよ。
柔らかいミットを叩くだけなんですから、危ないはずがない。安全なんです。

その上、全身を使う有酸素運動なので、どのスポーツよりも手っ取り早くダイエットは出来ると思いますね。

とりあえず、3ヶ月続ければ、だいたい何か変わりますから。
ダイエット効果ももちろんですけど、練習仲間もできてくると思うんです。場所に慣れてくるというか。

そこまできて、自分に向いてるかどうかを決めれば良いと思うんですよね。
深く考えずに、その場所にまずはお世話になるくらいの感覚でいいと思いますよ。

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